”多聞言葉”シリーズ(H25.9.9)アンケート

”多聞言葉”シリーズ(キハ‐51)

アンケート

 東京でタクシーに乗ったら、座席前の小冊子が目についた。

 パラパラとめくっていると、「“アンケート”の5段階で、4をつけたお客様はもう来ない」という文章が目に入り、読んでみると納得・・・。

 「あなたの仕事への“アンケート”を読む時、5段階評価で5以外は読む必要がありません。4も1も同じくアウトです」

 5段階評価をするとき、イ、5の評価をする人とロ、1〜4までの評価をする人の2種類に分けられるという。そして、4をつけるか1をつけるかは、書く人の優しさの問題なのだという。一番大きいのは4と5の差であり、4と1の評価には大差はないというか、同レベルだと考えた方が判断を誤らなくてよいのだという・・・。

 この考え方は、たいへん共感できる。小生も、セミナーを主催することや、講師をする機会が多く、“アンケート”を頂くが、5の評価の数や割合が気になるところである。それと、5の評価をする人でコメント欄に感想まで述べている人がいたら、有難いと同時に、その後の縁のつながりも感じたりする。

 もう一つ気になる人は、1と2(やや不満、大変不満)の評価をする人。後学のために、その理由を聞いてみたいと思うが、残念ながらコメント欄を書く人はほとんどいない。自らの反省のセンスを磨くしかないか・・・。

 “アンケート”に限らない。日頃の会話の中でも、似たようなケースをよく見かける。「どうだった?」「うーん、まぁまぁかな・・・」。「どうする?」「考えておくね・・・」。これらは、基本アウトなのである。

 さて、“アンケート”の結果は、どれくらい上手く活用されているのだろうか?

 5段階評価の“アンケート”は、上記の通り、白黒がハッキリせず、曖昧な感触を得ただけで終わっているのではないだろうか。

 じゃ、「良い」「悪い」の二択はどうか。明確な回答を得られるのでいいと思うが、遠慮が働いて、回収率が悪そうな気がする。

 考えてみると、5段階評価も二択評価もクローズドな質問で、ある意味において事実の確認はし易いが、限定的で、押し付けがましいところがある。できれば、“アンケート”の様式は、自由な意見をもらえるオープン・クエッチョン(=5w1h)を問う方がいいと思う。でも、もっと回答率が悪くなるか・・・。

 今年も、陸海軍軍歌軍装全国大会の開催日(10月19〜20日)が近づいてきた。過去にもたくさんの“アンケート”を頂いているが、活かされてきたのだろうか。たくさん、好評の“アンケート”をもらえるよう、祈りたいと思う。

(H25.9.9)