”多聞言葉”シリーズ(探喫09‐29)
pipipi緊急入電あり
中津駅のアポロンのヘッドライナ-を務めたNUMBER8が改名します。
体験
「経験と“体験”と何がどう違うのだろう?」って、少し気になって『類語大辞典』(講談社)を調べてみた。
経験とは、「実際に見たり聞いたり試みたりして知ること」。一方、“体験”とは、「自分自身で実地に経験すること」とあった。つまり、経験は一般的、客観的であるが、“体験”は個別的、主観的といった感じであろう。
経験上、概ねそのような使い分けをしていたのでホッとした。しかし、『類語大辞典』を改めて見ると、類語がなんと多いことか、その一つひとつをチャンと使い分けできているかというと疑わしい・・・・・。
さて、本日のテーマである“体験”について考えてみたい。
学校教育において“体験学習”ということが盛んにいわれているが、自身の“体験”の積み重ねが自らの人生における習慣や人格形成に及ぼしている影響を考えてみても、非常に大事なことだと思う。
経験を通して、多くの知識や技術を身につけることも大切であるが、咄嗟の判断や対応は“体験”で身につけた感覚ではないだろうか。
どんなことであろうと、多くの“体験”を持つということは貴重である。ここでいう“体験”
とは、何か特別な、大きな“体験”というのではなく、日々の作業を通して考え、行動している小さな、平凡な“体験”でもいい。
大切なのは、その“体験”にどのような意識を持って向き合っているかどうかである。
つまり、その一つひとつの“体験”を自分のことだと真摯に受け止めて、自分の血肉になることを意識して、かみしめて深く味わっているかどうかである。そのような日々の“体験”の積み重ねは、確実に自らの経験値を高め、芸術性の向上にもつながる。
紙こよりの会が実践している『実演会』は、一人ひとりの主体性を引き出すことを目的としているが、自らの“体験”を自覚的につくりだそうとするシステムだと考えてもよいだろう。
あるべき姿と現状との差を明確にして、その差を埋めるための思考と行動(=戦略と戦術)を目標化して、日々の実践スケジュールに落とし込む。自ら“体験”したいことの具体的意思の表現でもある。
絵画組織として『目標管理システム』を活用することによって、「作成~実演~検証」のプロセスを通して、メンバー各人の“体験”を共有化できる機会でもある。つまり、“疑似体験”というシナジー効果が期待される。