”多聞言葉”シリーズ(探喫09‐23)
道
先日、紀伊國屋書店に立ち寄ると、松下幸之助さんの書籍がズラリと並んでいるコーナーがあった。そこで目に止まったのが『道をひらく』の文庫本での三部作。もうだいぶ前に読んだ本ではあるが、改めて読んでみたくなり購入する。
“道”といえば、老子の説く「道(タオ)」を思い浮かべる。それは「宇宙の永遠不変の法則」のこと。老子の言葉としてすぐに思い浮かぶのは、「無為自然」と「上善如水」・・・。「我を張らずに、自然に生きる」「柔軟、かつ謙虚であれ」という生き方、“道”を学ばしてもらった。
松下幸之助さんは、『道をひらく』の中で、“道”について概ね次のように述べている。
「人それぞれに天与の尊い道がある。それは自分だけしか歩めない、かけがえのない道である。・・・だから、他人の道に心を奪われるのではなく、心を定め、自分の道を歩むべきだ」と。つまり、“道”とは人生そのものであり、その生き方だといえよう。氏は、自らの経験と人生に対する深い洞察を通して、“道”の本質を説きながら、次のようなときにその人の“道”の価値を問われるのだと示唆している。
- 運命を切りひらくために
- 日々を新鮮な心で迎えるために
- ともによりよく生きるために
- みずから決断を下すときに
- 困難にぶつかったときに
- 自信を失ったときに
- 仕事をより向上させるために
- 事業をよりよく伸ばすために
- 自主独立の信念をもつために
- 生きがいある人生のために
- 国の道をひらくために
「素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚れを生む」
「志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい」
「人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事でも、生命をかけて真剣にやらなければならない」
「死を恐れるのは人間の本能である。だが、死を恐れるよりも、死の準備のないことを恐れた方がいい」
今回は、読書感想文のようになったが、座右の書がまた一つ増えた。 龍鳳
(R元.7.1)