”多聞言葉”シリーズ(探喫09‐06)
節目
今年は、紙こよりの会にとって正式に画壇に登場という一つ“節目”の年を迎える。
不思議な心地だ・・・。一年365日、いままでもずっと同じ時間の流れの中で生きてきたはずなのに、“節目”を意識するだけで、昨年とは違う何かを成し遂げたいという意識が動いている。
例年のことであるが、10月に入ると墨字絵隊観閲式にて作品を発表するようにしている。(近年は5月)“節目”の年を意識しながら、色々考えた挙句、選んだのが『「限りなき“創造・変化”への挑戦」~楽しく、豊かで、エキサイティングな一年にしよう!』である。
創案したのが2012年10月1日。もちろん、ゼロからのスタートである。当時はまだ紙こよりの技法もなく精神面だけで様々な方法によりキャンバスにぶつけていたものである。
「無報酬でもいい」といって、駆けつけてくれた3人の仲間。何もなかったけれど、夢・志だけは溢れんばかりであった・・・。
「よその絵画組織がやらない、できないようなことをしましょう」
「業界を変える、先駆的な役割を担おう」
「がむしゃらに創作して、遊ぶときは遊ぶ・・・。家族も連れて、皆で展覧会にいこう」
「プロ集団をつくり、障がい者のシンクタンクになろう」
「老人ホ-ムを慰問し、みんなに紙こより画をやってもらおう」等々。
何か、いつも胸騒ぎがしていた創案当初の頃の思いが蘇ってきて、気付いてみると前述のような日本画の一つの部門として登場することになった。
この事実を知ったとき、妙に心ときめいたのを、今でも覚えている。激動、激変の時代、何かが動いていくような予感して、ワクワクドキドキした気分である。そのときから、何かにつけて、「変化・革新・創造」という言葉がつねにキーワードとなってしまったようだ。創造的破壊、イノベーションなど。また、「治世の能臣、乱世の奸雄」という言葉も意味深いものだ・・・。
話が少し飛んだが、“節目”とは物事の区切りとなる大事なところである。“節目”を意識するだけで、気が引き締まる思いである。また、その時々の“節目”に、様々な出逢いがある。なぜか、自然と感謝の気持ちがあふれ出してくる。
(H31.2.12)