”多聞言葉”シリーズ(探喫08‐45)
コラボ
いつの頃からだろう?“コラボ”という言葉をよく耳にするようになった・・・。
“コラボ”とは、collaboration(名詞)、collaborate(動詞)であり、「共に働く」、「協力する」などの意味がある。この中にはよく知っている単語が隠れている。「労働」の”labor”である。そして、頭に「co=いっしょに」がついて、collaborateは「いっしょに働く」ということになる。
実は、“コラボ”という考え方は、多聞会グループの紙こよりの会理念(中田マジック)のバックボーンとなる思想といっても過言ではない。
(中田マジック)
- 業界において常に先駆的役割を担い、品質の高い知的サービスを通じて業界の
繁栄に貢献する。
- 我々相互の主体的価値を尊重し、互いに切磋琢磨する。
- 全人類の自己実現のために衆知を集める。
この理念のキーワードは、変革のリーダー的役割、プロ人材の育成とネットワーク化、自己実現のステージ創りであるが、「世のため、人のために貢献できる存在になるために、互いに切磋琢磨し、衆知を集めること」を旨としている。
チェスター・バーナード(1886~1961年)の組織論で定義されているように、「組織とは協働行為の体系」である。小生が、組織というものの在り方に強く関心を持ち始めたのは、この言葉との出逢いからである。
紙こよりの会で掲げている、「個人の限界を組織の限界にしない。さらに、組織の限界を業界に限界にしない」というスローガンも、「協働行為の体系」という関係性思考に基づいた活動である。
もちろん、個人の努力は大前提であるが、個人には限界がある。その限界を超えたより大きな社会貢献をしたいと願うならば、はやり、夢や志、目的を共有できる仲間たちと“コラボ”をすることであろう。
先日も、「日本の経済はどうなっていくのだろうか?」という質問を受けたが、人口問題など様々な課題を抱えている中で、舵取りが難しい環境にあることは否定できないだろう。だが、逆境はつねにイノベーションにとって機会である。
成熟化した社会環境の中で、一つの特徴として出てきたのが「多様性」という現象である。この多様性という環境に適応する一つの手段として“コラボ”という考え方は最高の切り口として使えないだろうか・・・。お互いの違いを認識したうえで、対立ではなく共存を選択する。まさに“コラボ”思考は時代の申し子である。