”多聞言葉”シリーズ(探喫8-45)
奉仕
多聞会の次年度・基本方針は、『時流を見極め、“貢献戦略”を鮮明にしよう』に決定した。
ここにいう時流とは、世の中のニーズであり、社会的課題である。そして、それらの本質を明確に捉え、どんな貢献ができるのか、しっかりと考えながら、行動する一年にしようという気構えである。
最初は、「貢献戦略」ではなく、「成長戦略」という風に考えたのであるが、何かインパクトが弱く、しっくりしないので考えていたら、ふっと浮かんだのが“奉仕”という言葉である。
「仕」も「事」も「つかえる」という意味があり、「仕えて、事えるのが仕事である」と教わったことがある。つまり、“奉仕”活動こそ仕事の本質だという意味である。その“奉仕”の精神を貢献という言葉に置き換えてみた。
成長を“奉仕”、すなわち貢献に置き換えてみると、視野がグッと広がったような気がする。つまり、“奉仕”という精神には次のような特徴があると思う。
一つに、問題意識の視界が広がること。
全体(=社会)と部分(=個人)という関係性思考で問題をみる意識が生まれる。つまり、「今、社会が抱えている問題とは何だろうか?」「その問題に対して、私たちIG会計グループはどのよう関り、貢献できるのであろうか?」という問題意識である。
人口減少、グローバル化、格差社会、世代交代等々の問題・・・、新聞を賑わす日常的な記事から、いろいろな“奉仕”のテーマが浮かび上がってきて、仕事が山ほど溢れてきそうな気がする。
次に、責任感が強まり、達成意欲が湧くこと。
人間は、自分との約束に対してはいい加減なところがあるが、他人に対してはそういう訳にはいかない。他己管理という言葉があるように、他人との約束に関しては「ちゃんとやらないと!」いう責任感が強まり、中途半端なことはしない・・・。
“奉仕”・・・、人様のために尽くそうという気持ちがあって努力をする。結果として自分の成長にも大いに役立っているのである。「仕事が人を育てる」というのも、そんなことなのだろうと思う。
最近、日経新聞が中小企業の事業承継問題を定期的に話題にしているが、問題意識をもって読んでいるうちに、創造的想像力が高まってきて、やるべきことがたくさん出てきて、嬉しい悲鳴である。
“奉仕”の心は、経営に必要な創造的想像力を養う大事な土壌だと考える。
(H29.11.20)