”多聞言葉”シリーズ(探喫8‐44)
こだわり婚
最近の結婚式は、企画・演出力が凄い。
あたかも、芸能界のそれを観ているような感じだ。一生に一度の晴れ舞台、勧められれば、その気になってもおかしくない。(間違いなく、そうするだろう!)
職場結婚の若いカップルに招かれ、列席。挙式(約1時間)からはじまり、披露宴(2時間半)、そして二次会までセッティングされている。
最近の結婚式の特徴の一つでもあるが、仲人を立てず、いきなり新郎のウエルカム・スピーチから始まり、主賓の挨拶、乾杯の音頭と続く。二人の馴れ初めや自己紹介や小さい頃からのエピソードなどは、会場の大きなスクリーンに流れている。会場まえ庭園には、二人の小さい頃からの写真がたくさん飾ってあった。また、会場で流す動画やアルバムなどの編集など、二人のそれまでの人生がきれいに整理整頓されていて、記念になると思う。どれぐらいの時間とコストをかけて、企画・演出をしたのだろうと、職業柄、気になるところだ・・・。
ウエディングマーケットもご多聞に洩れず、成熟化し、独自性や多角化などの戦略をきちんと展開しないと厳しい状況にあるという。少子化等(非婚、未婚も含む)が進み、10年後には婚姻届出数は半分になると予測されているそうだ・・・。
「売上=来館数×成約率×単価」であるから、「来館数」が減少する以上、「成約率」と「単価」を上げるしかない。そこで活躍をするのが、専属プランナーである。カップルの要望を聞きながら独自の挙式を企画立案する仕事だ。つまり、“こだわり婚”に対する提案である。
以前に、某ハウスメーカーで自宅を建てたときのことを思い出した。営業マンに予算をいって、「その範囲内であれば建てたい」と話したら、予算通りの見積もりが出てきて、OK。問題は、その後である・・・。家の骨格ができて、外壁や内装に取り掛かるときに女性のコーディネーターを紹介される。そして、外壁で使う材料や内装の壁紙、キッチン・システム、照明器具やカーテンなどに対して、アドバイスを受ける。結果、アドバイスを受ける度に数十万ほど単価があがり、予算が500万円ほど増えたのを思い出した(結果、満足しているのであるが・・・)。営業マンのコーディネーターに対する気遣いが尋常でなかったので、その理由を聞くと、「私たちの仕事は成約率を高めることだから、どうしても単価を下げてしまい、利益貢献できないのです・・・」と。
身内びいきでいうわけではないが、凄くいい結婚式だった。最初に届いた案内状からすべてに“こだわり婚”の成果が出ていたと思う。(永遠の幸せを!)
(H28.12.6)