共通の価値観を持ち、超国家的アイデンティティを目指すEUの夢が、イギリスの
離脱により揺らいでいる。
<イギリスの流れ>
0.国民投票の失敗(政治家・支配階級のおごり)
・キャメロン首相をはじめ、オバマさん、NATOのトップ、IMFの
トップ等主たる政治家・トップ階層の人は残留を訴えたにも関わらず???
↓
・緊縮策の影響を受け、国の繁栄の分配にあずかることのない多くの英国人
(中間層の下位グループ)のあおるポピュリズム(大衆迎合主義)の怒り
の波にのまれている。
1.離脱の理由
・主権の確保(EUから主権を取り戻す)
選挙権で選ばれていないユーロ官僚が作った規制、規則でEU加盟国より
力を持ち、加盟国の主権が制限される事のブロック
・移民の流入の管理
EU加盟国間で認められている労働者の自由な移動の制限
・ユーロ経済圏の弱さ
↓
離脱すれば
・主権の回復
・移民の制限
・経済の発展
↓
グレートブリテンを目指すが、現実は?
2.影響
・グレートブリテン(大英帝国)の復活ではなく、スコットランド・北アイル
ランドの独立を刺激しリトルイングランドになる危機
・イギリスの最大産業である世界の金融センターであるシティの機能低下の危機
・EU離脱交渉まで2年〜3年かかると思われるが、この間の経済活動、政治
活動の混乱
・イギリスを拠点としてEU全体の戦略を立てていた日本企業の影響
<EUの今後>
・結束か亀裂か欧州の岐路にあたり、共通の価値観を持ち超国家的アイデンティティ
を目指す大欧州の歩みを後退させない為に、イギリスの良いとこ取りは許さない姿勢
を打ち出している(これ以上離脱国を出さない為にも???オランダ、デンマーク、
イタリア等)
(問題点)
・選挙で選ばれていないEU官僚がつくった規制、規則が加盟国の主権により優先
される事に対する替在的不満
・移民、難民に対する対応策の不備
・ドイツ銀行の不祥事、ギリシャ危機等金融問題の再燃懸念
・ドイツ、フランス主導に対する不満
特に経済はドイツの一人勝ちに対する不満
↓
グレートヨーロッパを目指すがリトルヨーロッパになる危険性
<資料>
http://m.mkmail.jp/l/i/nk/ihmafn0qd7ao
このようにイギリスのEU離脱問題を政治家が責任を持つ議会の決定ではなく、国民
投票にかけるという愚作の結果(政治家の責任放棄)ヨーロッパ全体の政治・経済・
軍事バランスを崩す事になってしまった。
その影響は現時点では未知数であるが、リトル・イングランド、リトル・ヨーロッパ
にならない様に各国政治家は責任を持って行動してもらう事を期待する。
政治家はグローバルな視点と正しい国家観の基、国民をより高いステージに導くため、
政治家の責任として辛い正しい決断とリーダーシップを発揮すべきであり、間違っても
今回のイギリスのようにEU離脱問題を国民投票にかけるというポピュリズム(大衆迎
合主義)的政治を行うべきではない。