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2013/ 9/15  9:39

”多聞言葉”シリーズ(探喫‐14)

誠実

 初期の段階の“考える言葉”シリーズを整理していると、次の一文に目が止まった。「人に対して“誠実”であるか」・・・。

 これは確か、安岡正篤先生の『人生の大則』という本に紹介されていた「大和的生活法」(=日常的な生活における基本となる考え方と過ごし方)の一つとして示唆された内容であったと思う。

 人に対して思いやりがなく、不誠実な人間は世間から信用されない。つまり、「あいつはちゃらんぽらんだ」となると、どんなに能力があっても相手にされなくなってしまうのだ。

 ピーター・F・ドラッカーは、真摯さ(=integrity of character)という言葉で「経営者の条件」として掲げ、“誠実”であることの重要性を次のように述べている。

 「人間性と真摯さは、それ自体では何事もなしえない。しかしそれらの欠如はほかのあらゆるもの(仕事上の能力や強みなど)を破壊する」と・・・。つまり、その人間の人格の統合、価値観に関わることであると捉えているのである。

 では、“誠実”とは何をいうのか?少し、考えてみたい。

 “誠実”とは、「私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること」「いつわりなくまめやかなこと」とある。無私、真心、真摯、律儀、忠実、至誠、篤実などが類似語として挙げられる。

 もう少し、具体的に“誠実”な人の特徴を考えてみよう。

?    正直である、うそをつかない。

?    約束を必ず守る。

?    言行一致で一本筋が通っており、裏表がない。

?    面倒見が良く、打算がない。

?    間違いに対して、素直に謝罪する。(言い訳をしない)

?    結果に対して責任をとる。

?    他人の心情を察して、親身に行動できる。

?    仕事に対して真面目に取り組む。

?    美辞麗句、調子のいい言葉を使わない。

?    人を見て態度を変えない。

 「自分自身と人に対して、いつも“誠実”であれ!」(ニーチェ)という言葉があるように、“誠実”とは自分自身に対しても問われることである。

 自分が大事にしている“誠実”と何か?自問自答してみよう!

(H28.4.25)