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”多聞言葉”シリーズ(鉄板‐45)

虎穴

 「虎穴に入らずんば虎子を得ず(不入虎穴、不得虎子)」(後漢書)。

 「危険を冒さなければ、大きな成功は得られない」という意味で使われているが、中国に古くから伝わる諺で、後漢の班超が匈奴との戦いで危機に陥ったとき、部下に言った言葉からだという。

 英語では、「Nothing venture、nothing have(何の冒険もしなければ何も得られない)」という言葉があるそうだ。

 昔から大好きな故事の一つで、学生の頃は、麻雀で相手の当り牌を掴んだとき「虎穴に入らずんば・・・」とつぶやきながら勝負したときのことを思い出している。(じっさいは麻雀ではなくABCゲームなのだが解りやすくするために例え変へ・・・笑)

 今やまさに、リスキーな時代である。リスクを避けては、通れない経営環境にある。

つまり、背負うことを恐れ、避けることによって生じてくるリスクがある。つまり、「虎穴に入らずんば・・・」という覚悟が、つねに問われる時代だといえよう。

 小生は、「虎穴に入らずんば・・・」という故事の意味は、「決意の強さ」を表現しているのだと考えている。つまり、「何か事を為すとき、その人の強い決意が大きな成功をもたらすのだ」と信じている。

 新たなことにチャレンジすると、必ずといっていいほど、窮地に追い込まれる場面に遭遇する。本来、そこからがホントの勝負なのだ。窮地に陥ったときこそ、自分を信じ、思い切った決断をする、これができるかどうかなのだ。

 “虎穴”に入る覚悟を決めたとき、なぜそう決めたのか?そのときの目的の意義を反芻しながら、不退転の気持ちを強化させる。そうすると、様々な手段や方法が浮かび上がり、いけそうな気がしてくるから不思議だ。

 成功する人と失敗で終わる人、その差は何か?一言でいうと、決意の強さではないだろうか。つまり、「“虎穴”に入らずんば・・・」である。価値ある目標を定めた以上は、どんな状況におかれようと、成し遂げる覚悟であろう。

 世の中って不思議なもので、「人生は心一つの置きどころ」という言葉があるが、本当にそうだと思う。自らの心にあることしか、出逢わないのである。

 「“虎穴”に入らずんば・・・」という強い決意こそが、大きな成功をもたらす秘訣である。自らの選択を信じて、貫き通す心を大事にしたいと考える。

(H27.11.24)