”多聞言葉”シリーズ(探喫20‐42)
利他の心
“利他の心”とは、仏教でいう「自利利他」の精神に由来しているのだろう。
「自利利他」という言葉を出逢ったのは、もう半世紀近く経つが、TKCの創業者である故・飯塚毅先生からの教示である。
あの当時、知識教育の偏重からだろうか、会社に宗教や思想を持ち込むべきではないという風潮があった頃である。能力至上主義で、物の考え方や価値観を軽視した生き方に危うさを感じ、飯塚先生は「会計人よ、哲学を学べ!」と熱く語られていたのであろう。
以来、小生の価値観の根底には、「自利利他」の精神が培われ続けてられて来たのだろう。そして、そんな心の思いが、その後のあらゆる人との素晴らしい出逢いを引き寄せたのだと有難く思う・・・。
さて、“利他の心”を実践している経営者といえば、稲盛和夫氏だ。27歳という若さのとき、周りの人たちの協力で京セラをつくってもらい、任されたときから“利他の心”を貫く経営をしてきたのだという。
以前にも紹介したと思うが、稲盛氏は“利他の心”を説明するのに、ある老師の次の言葉を引用している。
「地獄も極楽も外見上は全く同じような場所だ。違うのは、そこに住んでいる人の心の状態の差だけだ」と。
大きい釜があって、そこで美味しそうなうどんが煮えている。それを食べるには、物干し竿のような長い箸を使うしかない。
地獄では、みな利己的な心の持ち主だから、「オレがオレが」と我先に食べようと殺気立ち、うどんを奪い合い、つかめたとしても誰も上手く食べられない・・・。
一方、極楽では、“利他の心”の持ち主ばかりであるから、自分のことを先に考えるのではなく、自分の長い箸でうどんをつかむと、「お先にどうぞ」と言って、先に他の人に食べてもらう。すると、相手が「ありがとう。今度はあなたの番です」と言い、食べさせてくれる。
“利他の心”があれば、お互いに感謝を述べ合いながら、和気あいあいと食べることができる。まさに、そこにいる人の心の状態の差だけである。
つまり、心の持ち方ひとつで、地獄は天国に変わるという、非常に分かりやすい話である。
最近、コロナのお陰で、ゆっくりとした時間を持てるようになり、内省する機会が増えた。その時の物差しとして、“利他の心”という考え方は有難いと思う。
(R2.11.10)
作詞:加賀 大介
作曲:古関 裕而
雲は湧き 光あふれて
天高く 純白の球
今日ぞ飛ぶ
若人よ いざ
まなじりは歓呼に応え
いさぎよし
ほほえむ希望
ああ 栄冠は君に輝く
風をうち 大地をけりて
悔ゆるなき
白熱の力ぞ業ぞ
若人よ いざ
一球に一打をかけて
青春の賛歌をつづれ
ああ 栄冠は君に輝く
空を切る 球のいのちに
かようもの
美しく匂える健康
若人よ いざ
緑こき 櫚梠の葉かざす
感激をまぶたに描け
ああ 栄冠は君に輝く
エクシブ有馬離宮
この時期の恒例となった『“意見交換会”(本音で語る会)』(10月22~23日)が今年も開催されました。
今年は「エクシブ有馬離宮」に泊まり込んでの大会であった。
合宿の目的は、本来、次年度・行動計画書(2021年度)の作成にある。つまり、各連絡会や個人ごとに、次年度一年間でなすべき成果を目標化し、具体的な実行プランのたたき台をつくってもらうのが主たる目的である。
作成の手順は次の通り。
(1) 次年度ZSK基本方針の確認
(2) (1)に基づいての各連絡会の行動指針の確認
(3) 下記目標に対して、連絡会ごとに討議し、計画を立てる。
① 売上計画、② ZSK監査推進計画、③ 組織計画、④ 業務改善計画、⑤ 研修計画、⑥ 個別企画書の作成、⑦ 各社目標(能力、業務改善、考え方・習慣)。
さて、次年度のZSK基本方針は、『チームワークで異次元の戦いをしよう~戦う自分をつくる成長戦略』を掲げた。
今期は「再現性」をキーワードに「勝ちパターン(勝利の方程式)」を身につける戦いをやってきたのであるが、それを踏まえて次年度はさらに高次元のステージで戦える自分や組織を目指す。
そのためには、どうしたらいいのかをしっかり考える機会になったと思う。
そのキーワードとなる言葉が次の二つである。
- 異次元
- チームワーク
コロナ危機を、天から授かった、自己変革の絶好の機会と捉えた。そして、異次元の成長戦略を描けないかと考えている。
そして、その内容は個人の限界を超えたものにしたい。それゆえに、チームワークの力を再考してみたいと思う。
(R2.10.26)