”多聞言葉”シリーズ(キハ‐58)
時間
「Time is money(時は金なり)」・・・。かなり小さい頃からの教訓である。
他にも、「光陰矢のごとし」とか「少年老い易く学成り難し」など、“時間”の浪費に対する戒めの言葉をたくさん教えてもらって生きてきたのだが・・・。
「時間=お金」。だが、どうだろう?感覚的には、若いときは圧倒的に「時間<お金」で、だんだん齢をとってくると「時間=お金」or「時間>お金」って感じになっていくのだろうか・・・。だが、現実はどうだろうか?両方とも、大切な資源であると分かっていながら無駄にすることが多く、反省することしきりだ。
今、注目を浴びている経営手法にM&A(合併と買収)がある。そして、最近よく耳にするのが、「M&Aは、“時間”をお金で買う戦略である」という言葉だ。変化の激しい時代であり、スピードが要求される。確かに、M&Aよって事業の成果を出すまでの時短ができれば有難い話である。
ふと思ったが、買う側が「“時間”を買う!」ということなら、売る側は「“時間”を売る」ということになる。もちろん厳密にいうと、過去に費やしてきた“時間”によって得られた成果に値段がついたわけだが・・・。同じ“時間”を費やしてきていながら、びっくりするほどの大金を手にする人もいれば、債務超過で引くに引けない人もいる。ここに、マネジメントの難しさがある。
「時間こそ真に普遍的な制約条件である」とは、ドラッカーの有名な言葉である。しかし、人は“時間”を管理する用意ができていないという。どうだろう・・・?最近の一ヶ月でもいい。自分がどのように時間を過ごしたか、どれだけ正確に把握している人がいるだろうか・・・。
“時間”の管理は継続的かつ体系的に行う必要があるという。?継続的に“時間”の記録を行い、?定期的に仕事の整理を行う。そして、?自由になる“時間”を大きくまとめて使う。?重要な仕事については期限を設定する。
いかに成果をあげ、成長するか。そのプロフェッショナルの条件の一つとして、ドラッカーは「汝自らの“時間”を知れ」と語り、“時間”を管理することに重要性を説いている。
「悔いのない人生を送る」という言葉がある。それは、自分の“時間”をいかに使い、生きるかということであろう。
最近、よく思うことがある。自分が費やしてきた“時間”に未来の人はどれほどの価値をつけてくれるのであろうかと・・・。「過去に感謝し、未来に責任を負う」という気持ちを持って仕事をしていれば、結果はついてくると信じていきたいと考える。
(H25.12.8)